「恩送り」

高校を卒業してからサラリーマンとして働いていたが、32歳で起業するまでは自分の給料を見たことがなかった。理由は家が貧しかったからだ。当然、音楽も続けられずバンドメンバーにも迷惑をかけてしまい悔しい思いもした。しかし、友達が好きな車や洋服を買っているのを見ても、あまり羨ましいと思ったことはなかった。

「お前はお金を持っていなくても、いつも持っているような顔をしているな」と、よく叔父に言われた。何より希望だけは持っていたからだと思う。その希望を私に与え続けてくれたのは、いつも笑顔で叱咤激励をしてくれた叔父だった。当然お酒を飲むお金もなかったが、叔父がいつも奢ってくれた。受けた恩は今も返せていないが、私も同じように若い人たちに出来る限りのことをやっていきたいと思っている。何故なら、お金は人を立てるために使うものだと叔父から学んだようなものだからだ。そんな叔父もお金に大変困っていた時期もあったが、今は悠々自適に暮らしてる。

人の前に火を灯し続けた人が最後は護られることを証明しているような生き方だ。気がつけば私も今、音楽づくめの日々を過ごさせてもらっている。途中は遠回りをしているようでも、自分で自分を裏切らない限り音楽は人を裏切らないことを知ることができた。そして、それが何よりの財産となった。

By やすのしん

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