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2023年9月23日

すみれ September Love

~夢中になれたからこそ今がある~

気がつけば50代になっていた私ですが、音楽との出会いを振り返れば、小学4年生の時に初めて買ったレコードを思い出します。それは、一風堂の「すみれ September Love」でしたが、サンプラーで打ち込みされたサウンドの世界観に衝撃を受け、ずっと聴いていられました。

爆笑。

クラスのお別れ会では、友人と布団たたきを吊り下げ、みんなの前で歌ったくらい好きでしたが、歌がへたくそ過ぎて、みんなが爆笑していことを今でもよく覚えています。

そして、その友達と中学生の時にバンドを組んで、高校生の時はバンド活動一色の青春時代でしたが、高校3年生の時、進路指導の先生から「卒業したらどうするのか?」と心配され、「音楽で食べていく」と言うと、先生も爆笑していたことが今でも忘れられません。

音楽どころじゃない。

卒業後は、働きながらバンド活動をしていたのですが、現実は甘くないことを思い知らされました。

と言うのも、そもそも音楽活動をしていけるような家庭環境ではなかったのです。

私が社会に出る頃には、家庭の経済的な問題があったため、「早く親を楽にさせてあげたい」との思いで無我夢中で働く日々でした。そして、バンド仲間を裏切るように疎遠になっていきました。

音楽を嫌いになるしかなかった。

20代前半に、東京の音楽事務所からお声を掛けて頂いたこともありましたが、「親の生活を支えているので、生活費の保証がない限り東京には行きません」と言い切ったものの、心のどこかに「行きたくても行けません」と思いながら、それを境に音楽から完全に離れることになりました。

支えてくれた人。

高校を卒業してから32歳で起業するまでは、働いても自分の給料を見たこともないくらい、自由に使えるお金のない生活でしたが、なぜか不満に思ったことは一度もありませんでした。いま思えば、他人なのに私を支えてくれる人が、周りにたくさん居たからだと思います。

無駄なことなどない。

正直に言いますと、音楽を恨んでいた時期もありましたが、あれから長い年月が経ち、気がつけば今、当時の私と同じ世代の子供たちが、私に夢を与えてくれています。

私の「未来世界」には、このような幸せが待ってくれていたのかと、悔しかった過去がすべて感謝に変わりました。

途中は色んなことがあっても、夢は自ら逃げていかないとを知り、生きることで精一杯な時こそ、夢中になれるものが大切であることを、この歳になってやっと自分の言葉で言えるような気がします。だからこそ、子供たちの夢を全力で応援しています。

私にできることは、その環境づくりしかありませんが、小学生の時「すみれ September Love」を一緒に歌ったその友人と、今では音楽を通して子供の育成に取り組んでいるこの事実こそ、音楽のチカラの証明であり、私の財産なのかもしれません。

音楽は、決して人を裏切らないですね♬

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